懐かしい顔が……

nostalji2007-05-04

西部劇DVDの『無頼の谷』(1952年/監督:フリッツ・ラング)を観る。恋人を殺された男の復讐物語ですが、フリッツ・ラングらしい少し捻くれたところのある西部劇になっています。何しろ主演が善人よりも悪役が似合うアーサー・ケネディですからね。仇を捜し求める主人公が、チャカラック(正しくはチャック・ア・ラック)という唯一の手がかりからマレーネ・ディートリッヒの存在をつきとめ、彼女の愛人のメル・ファーラーに近づき、仇がいる彼女の牧場にやってくるんですな。手がかりを求めて訊きまわった色々な人物に語らせることによってディートリッヒの人物像を描くというのは面白い趣向です。この作品の時のディートリッヒの年齢は48歳。伝説の女にふさわしい色気を発散さしていましたね。メル・ファーラーは早射ちガンマンという設定ですが、ダブルアクションの拳銃をブッ放すだけで西部男らしさが全然ありません。ミスキャストだなァ。ミスキャストといえば、ジャック・イーラムとつるんで背後からファーラーを射とうとする無法者が、子どもの頃の我らがヒーロー『スーパーマン』のジョージ・リーブスでした。『スーパーマン』で人気の出る前の出演作なんですが、『スーパーマン』のイメージが焼きついているので、今見ると全然無法者に見えませ〜ん。画像は、メル・ファーラーとマレーネ・ディートリッヒ
掲示板で小林利雄さんが亡くなったことを知る。享年86歳。小林さんは宣弘社の元社長で、この人がいなかったら『月光仮面』は誕生していなかったでしょうね。最初のテレビヒーローが『スーパーマン』なら、国産初のテレビヒーローは誰が何と云おうと『月光仮面』ですからね。テレビ創生期の恩人に合掌。