4人目のセルジオ

nostalji2010-04-15

DVDの『ハチェット無頼』(1977年/監督:セルジオ・マルチーノ)を観る。霧の中を暗い異様な歌声が流れ、逃げるお尋ね者の右腕を、投げたトマホークで切断するショッキングな冒頭シーンだけで、まさにマカロニの強い匂いが漂ってきて嬉しくなります。賞金を受け取るために鉱山町へやってきた主人公(マウリツィオ・メリル)は、町のボス(フィリップ・ルロワ)に腕前を見込まれて、誘拐されたボスの娘の救出を頼まれます。ところが、その誘拐はボスの後釜を狙う腹心と娘の狂言で、事実を知ったボスは腹心に殺され、主人公は土中に埋められ、太陽で目を焼かれますが……
主演はどことなくフランコ・ネロに風貌が似ていたマウリツィオ・メリル。グルーミーな感じは、この映画にマッチしていましたね。フラッシュバック演出で主人公の過去が徐々に明らかになってくるところや、太陽で目をつぶすリンチシーンはマカロニではお馴染みですが、全体的にはオーソドックスな作り方で私は気に入りましたよ。
セルジオ・マルチーノの西部劇は、他にテレビ放映された『アリゾナ無宿/レッドリバーの決闘』がありますが、レオーネ、コルブッチ、ソリーマと比べると、作品的には同じセルジオでもね。そういえば、セルジオ・グリエコという監督もいたなァ。