殺陣の美しさ

nostalji2010-04-16

録画していた『めくらのお市物語・真赤な流れ鳥』(1969年・松竹/監督:松田定次)を観る。母に捨てられた時に、近くで落雷があって盲目となったお市松山容子)は、弥助(河野秋武)に育てられる。弥助は盗賊仲間だった伝蔵(天津敏)に殺され、お市も殺されかけるが居合いの達人・浮田重兵衛(長門勇)に助けられる。重兵衛はお市に剣の天分を見出し、護身として居合いを教える。お市はメキメキ上達し、全てを教えた重兵衛は赤い仕込み杖を残してお市から去った。それから数年たち、お市はヤクザに追われている仁平(多々良純)を助ける。仁平は娘に会うために島抜けをした盗賊で、伝蔵が命を狙っていたのだ。仁平の娘は、伝蔵が糸をひくヤクザ一家から女郎にされようとしており……
盲目となったプロローグから、天津敏との決闘までテンポよく物語が展開していきます。母との再会は“瞼の母”だし、長門勇との修行シーンは“座頭市”的なんですが、松田定次ホリゾントを多用して情感タップリに描き、上出来の作品に仕上げていますね。そして、この映画の見どころは何といっても松山容子の殺陣です。着物の裾も乱れず、華麗な立回りを見せてくれますよ。とにかく残像が美しいんだなァ。