CGにはない迫力

nostalji2010-05-15

録画していた『海底軍艦』(1963年・東宝/監督:本多猪四郎)を観る。伊福部昭の重厚な音楽をバックに、先端のドリルを回転させながら湖面から空中に浮き上がって停止し、強力なジェット噴射して空中を飛ぶ海底軍艦の威容が圧倒的な存在感を持って迫ってきます。とにかく重量感を感じさせる特撮が凄いですね。最近はCGによって、緻密な特撮ができますが、重量感だけはなかなか感じることができません。5メートル大の軍艦のミニチュアとそれに絡む水・煙・大気によって重量感を描き出した円谷特撮は世界に誇れるものだと思いますよ。
内容は世界征服を企てるムウ帝国の侵略を海底軍艦が阻止するというもので、細かい点では陳腐なところが多いのですが、特撮に限っていえば傑作ですね。古代エジプトをイメージしたようなムウ帝国住民の衣装と神殿での踊りも、東宝らしさが出ていてお気に入りで〜す。
原作は明治時代に書かれた押川春浪の軍事科学冒険小説なんですが、肝心の軍艦の絵はなく、映画化にあたっては、小松崎茂が軍艦の形や構造をイメージアップしました。