BS2で『第三の男』(1949年/監督:キャロル・リード)を放映。でもって画像は、『第三の男』のレコードジャケットね。アントン・カラスのチターの響きが耳に残る名作です。キネマ旬報社の「世界オールタイム・ベストテン」では、批評家選出の部では11位、読者選出の部では3位となっています。ミステリー映画として観ると、トリックは欠陥だらけなのですが、キャロル・リードの映像テクニックとオーソン・ウェルズのカリスマ的演技によって傑作になりましたね。
無名のチター奏者だったアントン・カラスはこの映画で一躍脚光を浴びるようになり、20世紀以後ほとんど忘れられていたチターという古い楽器まで甦らせました。この映画の舞台となった荒れた古い音楽都市ウイーンと、古代楽器のチターの音色は絶妙の組み合わせでしたね。映画の陰の主役といっても過言ではありませ〜ん。