役者は揃っているが

nostalji2010-06-26

録画していた『CASSHERN』(2004年/監督:紀里谷和明)を観る。『デビルマン』と甲乙つけがたい駄作という公開当時の評価を確認するためにね。原作はテレビアニメの『新造人間キャシャーン』ですが、原作とは大きくかけ離れたものになっています。公害によって荒れはてた世界を、人間を抹殺することによって浄化しようとする機械人間との戦いを描いたはずなんですが、映画の方は色々なものを詰め込みすぎて散漫になっただけでなく、独りよがりの観念的な映像ばかり見せられて苦痛でしたよ。
不治の病に罹っている妻(樋口加南子)を救うために自然再生する“新造細胞”を研究している主人公(伊勢谷友介)の父(寺尾聡)は、健康を害している将軍(大滝秀治)の配下(及川光博)から資金提供されて細胞開発に成功します。しかし、実験サンプルが新造人間として甦り、唐沢寿明をリーダーとして反乱を起こすんですな。戦死した主人公も新造人間となり、主人公の恋人(麻生久美子)の父(小日向文世)が作った強化服を着けて新造人間軍団と戦うんです。他にも、クーデターを起こす将軍の息子に西島秀俊、異常な復讐心を持っている軍人に寺島進、この作品が遺作となった主人公にキャシャーンの名をつける三橋達也など出演者の顔ぶれは豊かなのですが、脚本に深みがないため演技が活かされていませ〜ん。
画像は、アニメ版主題歌のレコードジャケット。「キリヤーンがやらねば誰がやる」とばかりに監督したのでしょうが、原作を素直に映画化しても良かったと思いますね。