原作は劇画だが

nostalji2011-09-16

録画していた『めくらのお市・地獄肌』(1969年・松竹/監督:松田定次)を観る。シリーズ2作目で、賞金稼ぎのお市松山容子)が宿敵(松岡きっこ)と戦って傷を負い、村人(入川保則)に助けられ、ヤクザ稼業から足を洗うが、村の隠し米を奪おうとする悪徳ヤクザ(安部徹)に対して再び仕込み杖を握るという話ね。原作が棚下照生の劇画で、どこかにあった話を寄せ集めたような内容になっています。
それでも退屈せずに観られるのは、松山容子の魅力と松田定次の演出ですね。赤い仕込み杖の女座頭市が“お笑い”にならずに、哀愁ある女性ヒーローとなったのは松山容子の佇まいと立回りにあります。チャンバラの上手い女優の筆頭と云えますよ。
松田定次は、これが最後の映画監督作品となりました。メリハリのある展開で最後までダレることなく見せてくれるのは、娯楽映画一筋だった松田監督の真骨頂でしょう。エンディングのチャンバラシーンも凝っており、上出来の時代劇といえま〜す。画像は、松田監督と松山容子