哀愁がなくなった

nostalji2012-01-24

録画していた『めくらのお市・みだれ笠』(1969年・松竹/監督:市村泰一)を観る。鉄砲で撃たれて死んだ男(宗方勝己)から巻物を託されたお市松山容子)は、蘭学者の室伏鉄斎(浜村純)の許へその巻物を届けることになるんですな。その巻物は新式火薬の調合書で、巻物を巡って戦いが繰り広げられます。
強力火薬を作って私腹を肥やそうとする悪家老(沼田曜一)、百姓をこきつかって火薬実験を行なう家来(今井健二)、家老から巻物奪取を命じられている刺客(戸浦六宏)、金目当てのヤクザたちを相手にお市の赤い仕込みが鞘走るんだよ。お市は鉄斎の弟子だった浪人(伊吹吾郎)を好きになりますが、彼は鉄斎の娘(光川環世)と愛しあっており、想いは届きません。お市を姉のように慕う百姓の若者(佐藤蛾次郎)から、浪人と鉄斎の娘が悪家老に捕まって処刑されそうだということを知らされたお市は、馬に乗って駆けつけ大立回りのクライマックスとなります。お市を気に入った謎の浪人(栗塚旭)まで登場し、チャンバラは多いのですが作り方は粗雑です。前2作と比べて、哀愁感が全然漂っていません。脚本も良くないですが、監督に力量の差が出たと思いま〜す。