何をやってもゲーブル

nostalji2012-01-20

ビデオに録画保存していた西部劇『ミズーリ横断』(1951年/監督:ウィリアム・ウェルマン)を観る。1800年代初期、毛皮を求めてミズーリにやってきた猟師たちの物語です。主人公(クラーク・ゲーブル)はビーバーの生息地を発見するんですが、そこはブラックフート族の支配地だったため、ブラックフート族の戦士(リカルド・モンタルバン)の襲撃を受けます。難を逃れたゲーブルは、猟師仲間の集会地でブラックフート族の酋長の孫娘(マリア・エレナ・マルケス)と知りあい、結婚します。安全な毛皮狩猟が目的の結婚でしたが、狩猟地への旅の途中でみせた彼女の勇気と頭の良さに心から愛するようになります。二人に子どもが産まれ、順風満帆だった生活でしたが、インディアンに怨みを持つ男が酋長を殺し、好戦的なモンタルバンが酋長になったことから、白人猟師たちに危険が迫るんです。毛皮を売るために集会地に向かう途中でモンタルバンの襲撃を受け、妻が死にます。愛児も奪われそうになりますが、一騎打ちで倒して、妻が眠る土地に愛児と残ることを決意してエンドね。
ゲーブルの整った髪とヒゲは、とても山男の猟師には見えません。スター優先時代だったことがわかりますけどね。インディアン娘のマリア・エレナ・マルケスはメキシコ女優らしいのですが、野生的でグッド。ちゃんとしたインディアン語(ブラックフート語かどうか解らないが)を喋っていましたよ。全体としては、開拓時代の猟師たちの生活を、豊かな自然を背景に描いた映像は見るべきものがありますが、お話はかなりご都合主義です。色彩豊かな風景だけは楽しめる作品で〜す。
録画していた『新・座頭市(第1シリーズ)』の9話〜10話を観る。第9話「見えない涙に虹を見た」(監督:田中徳三、脚本:中村努)は、幼馴染(伊丹十三音無美紀子)に出会った市が、身を持ち崩している伊丹十三の心を入れ替えさせる物語ね。爽やかなラストになっていますが、ダメ男は所詮ダメ男に戻ることを感じさせる伊丹十三の演技でした。
第10話「娘が泣く木枯らし街道」(監督:大田昭和、脚本:新藤兼人)は、娘を売った金をイカサマ博打で巻き上げられて首を吊った百姓と旅籠で隣り合わせとなった市が、百姓の娘をヤクザから救い出す物語。旅籠の女中役の沢田雅美が、味わいあるキャラで際立っていました。