南北戦争関連で

nostalji2012-06-17

ビデオで西部劇『騎兵隊』(1959年/監督:ジョン・フォード)を観る。インディアン相手の“騎兵隊(Cavairy)”三部作と異なり、南北戦争における北軍騎兵隊(Horse Soldirs)の物語ね。ジョン・ウェイン率いる北軍騎兵隊が南軍の背後を迂回して敵の兵站基地となっている駅の破壊するために出発します。同行するのが軍医のウィリアム・ホールデンで、ウェインは藪医者の治療で妻を死なせたことから医者に対して偏見を持っているんですな。ホールデンもガチガチの軍人は嫌いで、二人はそりが合わないのですが、色々な出来事を通じて友情が芽生えていくというのは定例パターンね。ウェインとホールデンのキャラが活かされた役柄設定といえます。
一行は途中でコンスタンス・タワーズの屋敷に宿泊しますが、彼女に作戦会議を盗聴され(ストーブの煙突が伝声管になるアイデアはグッド)、彼女と黒人召使いを連れて行くことになります。タワーズは、最初は北軍ということで2人を嫌っていますが、負傷兵の看護を手伝ううちにホールデンを好きになっていくんですな。作戦は成功し、適中突破が後半となります。激戦の末、橋を爆破して南軍の追撃路を断ち、ウェインは帰隊しますが、ホールデンは南北両軍の負傷兵の治療のためにタワーズと敵地に残ります。
フォードらしいユーモアをまじえたエピソードを積み重ねた南北戦争映画ですが、主題が明確になっていません。インディアンと違って、南軍は同じ白人で、明確な敵として描けなかったことに原因があるような気がしますね。南軍幼年学校の少年兵の突撃に対して、ウェインが「子どもには敵わない」といって退却するのは、微笑ましいエピソードですが、戦争の悲惨さ(史実では多くの少年兵が死んでいる)とは程遠いものとなっています。きれいごとが多すぎるんですよ。戦闘シーンの演出も従来のフォードと比べるとダイナミックさに欠け、作品全体の出来も今イチと云えま〜す。
画像は、ウェインとホールデンの格闘シーン。