原作あってこそ

nostalji2012-06-19

録画していた天知小五郎の『大時計の美女』、『桜の国の美女』、『魅せられた美女』を観る。『大時計の美女』は、『幽霊塔』が原作で、美女は結城しのぶね。明智小五郎は原作では登場せず、犯人も原作と変えていました。カラクリだらけの時計塔という設定は乱歩の世界で、雰囲気だけは悪くないんですけど、それが上手く活かせていませんでした。画像は、結城しのぶ。
『桜の国の美女』は、黄金仮面が登場する『妖精の美女』の続編で、美女は古手川祐子ね。原作のないオリジナル物語です。名画を盗みに黄金仮面が再び日本に現れ、明智小五郎と対決するのですが、盗みのテクニックに芸がありません。原作があれば、それと比べる楽しみがあるのですけどね。ラストの追いかけっこは前回の二番煎じだし、浴室で殺されるのは日活ロマンポルノの田中真理でなく知らない女優だったしで、何もかも期待はずれの作品で〜す。
『魅せられた美女』は、『十字路』が原作で、美女は岡田奈々ね。昨年実家に帰省した時に江戸川乱歩全集を再読したのですが、『十字路』は読み残しており、大学時代に読んだ時のボンヤリした記憶しかありません。怪奇趣味のない本格推理ものだったことしか憶えちゃいません。天知茂が二役で出演しているのですが、その必然性があったのか原作で確認したかったのですが……