行程がわからない

nostalji2012-10-23

録画保存していた西部劇『弾丸を噛め』を観る。ハイビジョン処理された昔の時代劇や西部劇を録画しているのですが、それだけで安心して観るのを後回しにしているものだからどんどん溜まっていきます。それに未見の作品じゃないので、なかなか観る気分にならなくてね。
でもって、『弾丸を噛め』(1975年/監督:リチャード・ブルックス)ですが、馬を乗りかえずに700マイルの荒野(山あり谷あり砂漠あり、ならず者や恐ろしい毒蛇に熊まで出てきます)を競走する冒険西部劇です。レースに参加するのは、ジーン・ハックマンジェームズ・コバーンなど8人。色々なキャラクターを取り揃えており、虫歯が痛むメキシコ人の歯の治療(薬莢を冠にして被せるのね)、心臓の悪い老カウボーイ(ベン・ジョンソン)のレース途中での死、血気盛んな若者(ジャン・マイケル・ビンセント)が砂漠で馬にムリさせて死なせてしまうエピソードなどが巧く描かれているのですが、スタートがどこで、ゴールがどこなのか説明がないのでわかりません。そのためレース展開も、どの辺を走っているのかわからず、キャンディス・バーゲンが恋人の囚人を脱走させたエピソード(彼女はそのためにレースに参加したことがわかる)の後のクライマックスのゴールまでの展開も、馬の熱演(体力の限界がきて真っ白に塩をふき出している)にも係わらず今イチ盛り上がりに欠けます。ハックマンとコバーンは親友で、爽やかなラストはグッド。ハックマンもコバーンも一番脂ののりきっている頃の作品で、二人の魅力が充分に引きだされていま〜す。
ちなみに、“弾丸を噛め”とは、アメリカ開拓時代、負傷した男が麻酔のかわりに弾丸を噛んで手術の苦しみに耐えたという故事から、「苦しみに耐えてやりぬけ」という意味に使われているんだよォ。