銃撃戦はないが

nostalji2013-09-29

西部劇DVDの『西部の四人』(1948年/監督:アルフレッド・E・グリーン)を観る。銀行から金を奪って逃亡中の無法者と、若い看護婦との愛をからめた日本未公開の人情西部劇です。
父に仕送るために銀行に2000ドルの借金を申し込んだマキューエン(ジョエル・マクリー)は、銀行から断られ、2000ドルだけを奪って逃走します。彼を追跡するのが、名保安官のパット・ギャレット(チャールズ・ピックフォード)ね。逃亡途中でガラガラ蛇に噛まれ、何とか自分で手当てをするものの列車の中で倒れます。若い看護婦のフェイ(フランセス・ディー)に看護され、二人は惹かれあうようになります。列車の中で知りあったモンテ・マルケス(ジョゼフ・カレイア)の紹介で、牧場で働きますがパット・ギャレットに気づかれ再び逃亡へ。途中でジフテリアに罹った一家を見捨てることができず、看病していると……
ひたすら逃げるだけで、西部劇につきものの銃撃戦はありません。賞金稼ぎが現れた時は、撃ち合いが始まると思ったんですけどね。『血塗られた欲情』で悪役だったジョゼフ・カレイアも好い奴だったし、悪人は出てきません。でもって、退屈かというとそうでなく、ピンチ脱出のアクション(渓谷の入り口一帯の灌木に火をつけて追手を足止め等)を散りばめて観客をひきつけるようにしています。西部劇がどんどん上映されていた当時、有名な監督でもなく、銃撃戦もないので輸入されなかったのでしょうね。西部劇のなくなった現在、西部の風景にマッチする西部男ジョエル・マクリーの所作を観ているだけでも楽しめました。画像は、ジョエル・マクリーとチャールズ・ビッグフォード。