三分の理どころか

nostalji2013-10-08

西部劇ビデオの『地獄への道』(1939年/監督:ヘンリー・キング)を観る。何度も映画化されているジェシー・ジェームズの物語で、それまでのB級ヒーローだったジェシーを伝記ものとして大作西部劇に仕上げています。
鉄道会社の強引な買収で土地を取られそうになったジェシータイロン・パワー)とフランク(ヘンリー・フォンダ)の兄弟は、買収にきたパーシー(ブライアン・ドンレヴィ)を殴りとばして追い返します。逆恨みしたパーシーが兄弟の逮捕状をとったので、新聞社のコッブ(ヘンリー・ハル)の進言で二人は身を隠しますが、留守中にやってきたパーシーによって母親が死ぬのね。ジェシーは、そのことをコッブの姪で恋人のジー(ナンシー・ケリー)から知らされ、町に乗りこんでパーシーを決闘で殺します。鉄道の社長マッコイ(ドナルド・ミーク)がジェシーを殺人者として賞金をかけたことから、ジェシーは列車強盗団を組織して鉄道を次々に襲撃。
ジェシーたちに理解をしめす保安官のライト(ランドルフ・スコット)は、自首すれば刑を軽くすることをマッコイに約束させ、ジーにそのことを伝えます。ジェシージーと結婚し、自首しますが、マッコイは約束を破り、判事を買収してジェシーを死刑にしようとするのね。フランクの助けで脱獄したジェシーは怒りくるい、鉄道や銀行を荒らしまわります。ジェシーにかけられた賞金はどんどん上がっていき、賞金に目がくらんだ仲間のボブ・フォード(ジョン・キャラダイン)に暗殺されるのです。
悪いのは鉄道会社であって、ジェシー・ジェームズは同情すべき人間として無法行為を正当化するような作り方をしています。当時の映画倫理では、悪を悪として描くのは憚られたのでしょう。ヘンリー・キングの演出は大まかで感心しませんが、モブシーンなどは金をかけているだけの効果はあげていま〜す。