どちらかというとニューシネマ的

nostalji2013-10-22

西部劇ビデオの『ワイルド・アパッチ』(1972年/監督:ロバート・アルドリッチ)を観る。ウルザナ(ホアキンマルチネス)に率いられたアパッチが保留地を脱走したという報せがロウエル砦に届き、半年前に士官学校を出たばかりの若いデブリン中尉(ブルース・デイヴィソン)が追跡することになるんですな。彼を補佐するのがベテラン偵察員のマッキントッシュバート・ランカスター)ね。マッキントッシュは、ウルザナに義弟で彼に反感を持っているケニティ(ホルヘ・ルーク)を追跡隊に加えます。ウルザナは開拓民を次々に血祭りにあげ、アパッチに理解をしめそうとしていたデブリンはその残酷な殺し方に怒りを覚えるのね。ウルザナは策略を巡らし、マッキントッシュはウルザナの裏をかこうとしますが……
この映画で想いだされるのが、1954年のアルドリッチとランカスターによる『アパッチ』ね。白人に反抗するアパッチをランカスターが演じていましたが、白人への同化がインディアンのとるべき道というラストは、白人のご都合主義でしたね。時代が変わり、この作品では白人とインディアンの文化の違いや、残酷な行為もインデイアンにとっては意味のあるものとして、同格に扱っています。お互いに裏をかこうとする追跡劇の知恵くらべは、印象に残る味わいですよ。
敵の裏をかく作戦が、デブリンの経験不足からタイミングがズレて成功せず、大苦戦のすえ古参の軍曹(リチャード・ジャッケル)が戦死し、マッキントッシュは致命傷を負います。アパッチたちもウルザナひとりを残して全滅します。ウルザナは降伏せずに死を選び、マッキントッシュも静かに死んでいくラストは、ニューシネマ風で〜す。