こんな時にはお気楽な

nostalji2013-10-23

懇意にしていた時代劇の大先輩が亡くなった報せを受ける。リアルタイムで活弁時代から、アラカン、ツキガタ、チエゾウ、ウタエモンを観ていた方で、私が大友のファンだと言ったら、「子どもが歓ぶスターね」と、鼻で笑われたものの、時代劇について親切に教示してくださいました。
でもって、子どもが歓ぶ『御存じ快傑黒頭巾・危機一発』(1955年/監督:内出好吉)を観る。新型蒸気船の譲渡契約を巡り、開港された兵庫を舞台に幕府新徴組や海賊を相手に黒頭巾が8変化の大活躍ね。
白馬にまたがり、疾駆してきた黒頭巾が馬を棹立ちさせるオープニングは、バックにウィリアム・テル序曲が流れれば、ローン・レンジャーであります。海賊・渡海屋九郎兵衛(阿部九洲男)の娘お志乃(三笠博子)と情婦のお富(喜多川千鶴)が艶歌師(大友柳太朗)の“黒頭巾節”に聞きほれていた時、松平主税介(原健策)が率いる新徴組が通りかかり、艶歌師を捕えようとしますが、新徴組には王一成(徳大寺伸)から薩摩藩への新型蒸気船譲渡契約阻止の任務があって、艶歌師を逃します。王一成と薩摩の小松帯刀と益満休之助(加賀邦男)が会談している時、新徴組が踏込むのね。新徴組に追われた小松帯刀と益満休之助を英国人に変装した黒頭巾が救いますが、王一成の息子・一松(植木千恵)が新徴組に拉致され、主税介が王に契約書をよこすように要求してきます。しかし、新徴組・髭隊士に変装した黒頭巾が一松を救いだし、三木松として暮らしている長屋に匿うのですが、それを目撃していたのが海賊・渡海屋一味。黒頭巾は易者の天命堂に変装し、王に一松が無事であることを知らせますが、留守中に一松は渡海屋一味に拉致されます。黒頭巾は法要を利用して大僧正に変装して渡海屋に乗りこみますが、お富が渡海屋を裏切って一松を六甲の山荘へ。お富の下男・猿男に変装してお富に近づいた黒頭巾でしたが、逆に部屋に閉じ込められます。山荘は新徴組に取り囲まれ、渡海屋は秘密の抜け道から山荘に入りますが、お富と相射ち。渡海屋についてきたお志乃に一松を託し、黒頭巾は薩摩藩士・山鹿弦一郎に戻って、新徴組と大立回りの末、主税介を倒してメデタシ、メデタシです。
シリーズ3作目で、フェンシングをしたり、走っている馬の横腹に隠れて二挺拳銃を撃ったりと、大友柳太朗は大サービスね。例によってご都合主義の展開で、必要ないような変装するのもご愛敬。深刻な気分はサヨナラで〜す。