文芸作品なのか

nostalji2013-10-29

西部劇DVDの『丘の静かなる男』(1941年/監督:ヘンリー・ハサウェイ)を観る。母と自分を捨てた父を怨む青年と、父であることを隠して青年と接する男の物語です。
ミズーリ州の片田舎オザーク高原にやってきたホウィット(ハリー・ケリー)は、密造管理官に撃たれて傷を負ったサミー(ベティ・フィールド)の父親を治療してやり、彼女と親しくなります。ホウィットは、この地に定住しようと考えていて、マシュー一族が管理しているモーニングメドウの土地を買おうとするんですな。そこはサミーの恋人マット(ジョン・ウェイン)が母と暮らしていた土地で、彼が幼い頃、父は出て行き、母も追うように死んだ呪われた場所と噂される土地でした。マットは幼い自分と母を見捨てて出て行った父親に激しい憎悪を抱いていて、見つけたら復讐しようと考えています。マシュー一族を束ねているマットの叔母モリーはホウィットに大金を積まれて土地を売るのですが……
戦争で輸入が中断した戦前の作品でも、昨日の『殴り込み一家』のように戦後公開された作品が多々あるのですが、ジョン・ウェイン主演でも、これは日本未公開です。風俗的にも内容的にも西部劇らしいところがなく、敬遠されたのでしょう。原作を知らないので、説明不足のところが多くて、理解に苦しみます。
マットの父であるホウィットは妻子を捨てて家を出たのでなく、殺人をおかして刑務所に入っていたんですが、母はホウィットが入獄したのでオザーク高原に帰ったのですかね。ホウィットのことをオザーク高原の住民が誰も知らないというのは不思議。母と妹であるモリーとの間に、どんな確執があったのか不明。モリーがマットに父を憎むように仕向けたのは何故か。母の死によって、モリーは呪いに取りつかれ、性格が変わったらしいのですが、理由がわからない。宗教的意味合いがあるのかなァ。