歌舞伎で馴染みの

nostalji2013-12-24

録画していた時代劇『お嬢吉三』(1959年・大映/監督:田中徳三)を観る。「こいつぁ春から縁起がいいわい」のセリフで有名な歌舞伎『三人吉三巴白浪』のお嬢吉三を主人公にした創作です。
悪旗本の原田(伊達三郎)と悪徳ヤクザの伝法院(清水元)に傷を負わせて江戸を旅立った、お嬢(市川雷蔵)、お坊(島田竜三)、和尚(北原義郎)の三人吉三は、箱根の湯で、江戸で馴染みだった女衒の辰(本郷秀雄)と出会います。辰の連れていた娘・お美和(中村玉緒)は、お嬢の幼馴染で原田の妾にされそうなのね。お美和には倉松(林成年)という恋人がいて、お嬢は二人のために江戸に引き返し、伝法院や原田と対決します。
勧善懲悪の如何ってところのない平凡な時代劇です。女装した雷蔵が魅力かな。お美和を連れ出したお嬢が、町木戸が閉まって伝法院の縄張から逃げられなくなり、町木戸を開けるために火の見梯子を登って半鐘をならすんですが、町木戸の仕組み(午後10時に町木戸は閉められ錠をかけられる。それ以降は木戸番に理由を言って潜戸を通らなければならなかった。ただし、火事などの緊急の時は時間に関係なく木戸が開けられた)がわかっていないとピンとこないでしょうね。1950年代〜60年代前半の時代劇では町木戸が当り前の存在でしたが、70年代のテレビ時代劇全盛の頃から、夜中でも町木戸が開けっ放しのシーンを見ることが多くなりました。リアルタイムで観ていたら感心することではないんですけどね。