トリとして

nostalji2014-03-27

ビデオで西部劇『三人の名付親』(1948年/監督:ジョン・フォード)を再見。ボブ(ジョン・ウェイン)・ピート(ペドロ・アルメンダリス)・キッド(ハリー・ケリーJr)の3人がウエルカムの町の銀行を襲ってキッドが負傷し、砂漠へ逃れます。町の保安官スウィート(ワード・ボンド)が彼らを追跡して水飲み場へ先回りしたことから、3人は砂漠の中の水飲み場へ。水飲み場には水はなく、出産した女性に頼まれて赤ん坊をニューエルサレムの町まで届けるのは同じです。
前2作よりも上映時間が長いこともあって、端役にすぎなかった保安官の存在が大きいものになっています。追跡劇を丁寧に描いているだけでなく、自分を訪ねてくるはずの姪が死んだ女性という設定で、ボブと保安官の関係を深いものにしていますね。
ジョン・フォードは悲愴なテーマを捨て、彼らしい映像感覚で、ユーモアを交えた良質の人情劇にしています。前2作では、ボブは贖罪のために命を捨てて赤ん坊を届けるのですが、この作品では聖書の導きで現れたロバに救われるというクリスマス・ファンタジーとなっており、甘い結末です。内容的にはウィリアム・ワイラーの『砂漠の生霊』の方が優れていると思いますが、フォード一家総出演の心地よい映画として楽しめま〜す。