明治時代は時代劇か

nostalji2015-03-07

本日の朝刊朝日の別刷beの『サザエさんをさがして』のテーマは「バイオリン」。バイオリンといえば高級楽器のイメージがありますが、100年前は大衆楽器だったんですね。シャーロック・ホームズがバイオリンを弾くのは特殊なことでなく、一般人としてごく普通のこと。西部劇でも開拓民がダンスに興じる時の伴奏はバイオリンが中心でした。日本では明治中期にバイオリンの国産化が始まり、西洋へのあこがれとともに中流階級にも普及していきました。明治時代を舞台にした映画では演歌師がバイオリンを弾きながら、当時の流行歌を歌うシーンが出てきます。『昭和残侠伝・死んで貰います』でも津川雅彦がバイオリンの伴奏で「船頭小唄」を歌っていました。
“昭和残侠伝”や“緋牡丹博徒”のような東映任侠映画はチャンバラがあるだけでなく、その様式美から、時代では区切ることのできない時代劇だと私は思っています。一方、いつまでが時代劇の範疇かとなると難しいですね。100年前は現在とは異なる生活習慣や生活信条があり、それらを扱ったドラマは時代物といえなくもありません。
NHK大河で1984年から、『山河燃ゆ』・『春の波濤』・『いのち』と3年続けて近代ものをやりましたが、『山河燃ゆ』と『いのち』は時代劇じゃないので全然観ていませんが、『春の波濤』は明治・大正を背景に日本最初の女優として活躍した川上貞奴松坂慶子)の物語だったので結構観ていました。『春の波濤』は、それまでの大河の中で最低視聴率(18.2%)と悪評でしたが、明治時代という設定に興味がひかれましてね。今年の『花燃ゆ』も悪評ですが、明治時代をどう扱うか楽しみにしていま〜す。