典型的なB級西部劇スター

nostalji2015-04-21

西部劇DVDの『復讐の流れ者』(1950年/監督:レスリー・セランダー)を観る。日本未公開のB級西部劇です。
酒場の金を奪った男に殺されそうになったスティーブ(ロッド・キャメロン)は、逆にその男を殺しますが傷を負って、シャロン(キャシー・ダウンズ)に助けられます。牧場を広げようとしていたシャロンの父ピートに、殺した男が持っていた金を渡し、共同経営することになるのね。スティーブとシャロンは愛しあいますが、シャロンは牧場生活よりシルバースパーの町での生活に憧れており、かねてよりスティーブの土地を狙っていたハル・フェントン(モリス・アンクラム)に売ることにします。しかし、商談にいってハルの弟ランディが力づくで土地を奪おうとしたことから、スティーブは正当防衛でランディを射殺。金を盗まれた酒場の主人ビセルに土地の権利書を渡し、シルバースパーを去ります。5年後、スティーブがシルバースパーに帰ってくると、シャロンの父は死んでおり、シャロンは結婚しており新聞社で働いています。新聞社主の夫は呑んだくれて、保安官(ジョニー・マック・ブラウン)が相談相手。町はハル・フェントンが暴力で支配しており、スティーブが帰って来たことを知ったハルは殺し屋を差し向けます。酒場での銃撃戦でシャロンの夫が流れ弾に当って死に、町の有志たちはハル・フェントン排除に起ちあがり……
邪魔な存在は都合よく死んでくれて愛しあう二人は結ばれ、不当な暴力には断固戦うという約束事に充ちた古き良き時代の西部劇です。主演のロッド・キャメロンは1940年〜50年代に活躍した西部劇スターです。「どんな大作に出るよりも西部劇に出ていたい」と言って、もっぱらB級西部劇専門ね。テレビの普及でB級西部劇の製作本数が減ると、クリント・イーストウッドよりも早くにヨーロッパに渡り、西部劇に主演しています。レオーネの『荒野の用心棒』が出るまでは、イタリアを中心とする西部劇はハリウッド西部劇のイミテーションでした。渋みのある硬派キャラは、当時のヨーロッパ西部劇(マカロニ独特の西部劇は『荒野の用心棒』から)にはうってつけだったので〜す。