感情移入できなくて

nostalji2015-05-12

西部劇DVDの『賭博の町』(1948年/監督:ラオール・ウォルシュ)を観る。ネバダの銀鉱町を舞台に巨万の富を追い求める男の物語です。西部劇というより男の野望を描いた一代記ね。
北軍大尉だったマッコム(エロール・フリン)は、南北戦争中に命令違反をしたために不名誉除隊となります。兵隊たちを煽動して悪徳賭博場を壊し、手に入れた賭博設備を持って部下だったピストル(トム・ダンドレア)とシルバー・シティへ。賭博場を成功させ、資金不足に困っていたモーア(ブルース・ベネット)の銀鉱山に投資して共同経営者になります。周囲の鉱山主たちが鉱夫たちに給料として発行している紙幣を本物の貨幣と換える銀行を設立し、弁護士プラトベック(トーマス・ミッチェル)にも助けられて一大勢力家になります。モーアが新しい鉱脈を探しに行った場所はインディアンが出没している危険地帯でしたが、モーアの妻ジョージア(アン・シェリダン)に惹かれていたマッコムはそれを教えず、モーアはインディアンに襲われて死亡。ジョージアもマッコムに魅力を感じており、二人は結婚ね。モーアの死の原因を知っているプラトベックはマッコムから去り、鉱山主たちはマッコムをつぶしにかかりますが……
鉱夫たちから賭博で給料をまきあげていたマッコムが、鉱夫の労働改善を旗印に議員に立候補したプラトベックが鉱山主が雇った無法者(バートン・マクレーン)に殺されるや、それまでの生き方を反省して鉱夫の味方となって起ちあがるなんて、ご都合主義すぎてシラケます。スター主義時代の作品で、エロール・フリンは快男児じゃないといけないんですな。
昨日の『膝射ちサム』と比べると、エキストラをふんだんに使った大作で、ラオール・ウォルシュはモブシーンにおいて迫力ある演出を見せています。しかし、西部劇となると『膝射ちサム』の方が面白かったですねェ。