3D映画だが

nostalji2015-05-14

西部劇DVDの『ムーンライター』(1953年/監督:ロイ・ローランド)を観る。1953年にテレビに対抗して盛んに作られた初期の3D映画の一つです。結局、定着せず、ワイド画面が映画の主流になりました。
牛泥棒で捕まって留置所にいたウェス・アンダーソン(フレッド・マクマレー)は、押しかけてきた牧場主のプリンス(モーリス・アンクラム)と手下のカウボーイたちにリンチされそうになりますが、たまたまウェスの房を掃除していた男がウェスと間違われて吊るし首にされます。その残虐な光景を目撃したウェスは、男の首に真っ先にロープをかけたスリム(ジャック・イーラム)とプリンスに復讐して5年ぶりに帰郷。昔の恋人レラ(バーバラ・スタンウィック)は弟トム(ウィリアム・チン)と愛しあっており、傷が治り次第去ろうと思っているのですが、昔の仲間コール(ワード・ボンド)がやって来て銀行強盗をもちかけます。銀行をクビになったトムはレラとの結婚資金を得るために仲間に加わりますが、襲撃時に撃たれて死亡。レラは保安官補となってウェスとコールを追いますが……
リンチされた男の葬儀シーンではフレッド・マクマレーらしいとぼけた味わいがあり、ワード・ボンドとの銃撃戦ではバーバラ・スタンウィックはウエスタン・クイーンの名に恥じない偉丈婦ぶりを見せてくれます。どろどろした愛憎劇になるかと思いきや、最後はハッピーエンドです。人間ドラマより娯楽性重視ね。タイトル画面は3Dらしい映像でしたが、それ以外は3Dを意識したような映像になっていません。ちなみに“ムーンライター”とは、夜に副業をやる人で、ここでは夜陰にまぎれて牛を盗む牛泥棒とのこと。