色の違いはわからず

nostalji2015-05-18

西部劇DVDの『西部の裁き』(1948年/監督:レン・エンライト)を観る。日本で初めて紹介されたシネカラーによる色彩映画でした。テクニカラーが三原色なのに対し、シネカラーは製作費が安い二原色です。色彩的にテクニカラーより劣るのですが、原版が古いフィルムなので劣化によるものか、もともとそういう色なのか、わかりませんでした。
物語は、恋人を殺した犯人を捜しにクリス・ダニング(ランドルフ・スコット)という男がコロナクリークの町にやってきます。ケイト(マーゲリット・チャップマン)のホテルに泊まったクリスは、目撃者から聞いた犯人の特徴から町の顔役であるヤンガー・マイルス(ジョージ・マクレディ)に目星をつけるんですな。マイルスの部下アニー(フォレスト・タッカー)が仲間入りを誘いますが、クリスはマイルスが追い出そうとしているデラ・ハームス(サリー・アイラース)の牧童頭になります。マイルスに敵対するクリスをケイトは心配しますが……
恋人が乗っている駅馬車がインディアンに襲撃されるオープニングからレン・エンライトの演出は快調です。駅馬車襲撃には積んであった金塊を狙う白人の黒幕がいて、主人公がその特徴をつきとめるまで段取りよく展開していきます。拳銃が撃てないように右手の人差し指を折られた主人公が折った相手に対して同様の制裁を加えるものの、一番の復讐相手が逃げようとして梯子段から落ち、持っていたナイフで自らを刺して死ぬといのは、いささか呆気なかったです。神は同じような裁きを下す、というのがこの作品のテーマね。画像は、ランドルフ・スコットとマーゲリット・チャップマン。