アクション中心だが

nostalji2015-05-20

西部劇DVDの『モヒカン族の最後』(1936年/監督:ジョージ・B・サイツ)を観る。何度も映画化されているジェイムズ・フェニモア・クーパーの小説の4度目の映画化です。トーキーになってからは2度目ね。直近では1992年のマイケル・マン監督・ダニエル・デイ・ルイス主演の『ラスト・オブ・モヒカン』があります。変り種はヨーロッパ西部劇『夕陽のモヒカン族』(1965年/監督:ハラルト・ラインル)ですな。原作に一番忠実なのは、最高傑作といわれている無声映画の『モヒカン族の最後』(1920年/監督:モーリス・ターナークラレス・ブラウン)です。でもって、この作品ですが、原作にはないホークアイアリスの恋を描いています。ちなみに、『ラスト・オブ・モヒカン』の元ネタは原作でなく、この作品です。
18世紀の後半、北米では植民地の主導権を争ってイギリスとフランスが戦っています。イギリス軍の砦の司令官モンロー大佐(ヒュウ・バックラー)と合流するために大佐の娘アリス(ビニー・バーンズ)とコーラ(ヘザー・エンジェル)がヘイワード少佐(ヘンリー・ウィルコクソン)と砦に向かう途中で、案内人のマグア(ブルース・キャボット)に襲われます。彼らを救ったのが、ホークアイランドルフ・スコット)とモヒカン族の酋長チンガグーク(ロバート・バラット)とその息子アンカス(フィリップ・リード)ね。ヒューロン族を率いて追撃してきたマグアを振り切って砦にたどりつくものの、砦はフランス軍に囲まれています。ヒューロン族の追撃中に、ホークアイとアリス、アンカスとコーラに恋が芽生えており……
カヌーによる追撃戦や砦の攻防などに見るべきところはありますが、頭の皮剥ぎが野蛮なインディアンの風習として扱われたり、主人公がインディアンに火あぶりされるシーンは古い西部劇のパターンですな。白人俳優によるインディアンもね。最後のモヒカン族への悲痛な詩情性は表面的に描かれているだけで、娯楽性中心で〜す。画像は、ランドルフ・スコットとビニー・バーンズ。