名優の貫禄

nostalji2015-06-25

録画していた『やくざ戦争・日本の首領』(1977年・東映/監督:中島貞夫)を観る。西日本最大のやくざ組織の関東進出を描いた“日本の首領”三部作の最初の作品で、東映オールスター出演です。
阿部紡専務・島原(西村晃)から中島組会長・佐倉(佐分利信)は社長(高橋昌也)のスキャンダル解決を頼まれ、若頭の辰巳(鶴田浩二)が武闘派の迫田(千葉真一)を使って阿部紡社長を脅している愚連隊(今井健二)を壊滅します。阿部紡グループと中島組は親密な関係となり、手形割引に絡んで経済派の片岡(成田三樹夫)が名古屋のヤクザ組織(小池朝雄)も潰し、目指すは関東へ。阿部紡の京浜地区コンビナート建設を巡り、大物右翼の大山(内田朝雄)が関東のやくざ組織(菅原文太)を加えた政治結社結成の申し出を佐倉が断ったために関東の組織と抗争が勃発し、一般市民がまきこまれることになります。警察(梅宮辰夫)が組織暴力壊滅にたちあがり、中島組は追いつめられていくのね。中島組傘下の各組が解散声明を出していく中……
暴力団の首領を中心に、その家族問題も描いているところは、『ゴッドファーザー』を意識しています。似たようなシーンもありますよ。佐分利信マーロン・ブランドね。そのため、従来の東映ヤクザ映画とは雰囲気の異なるものになっています。私の好みじゃないですけどね。
佐分利信の貫禄の前に鶴田浩二は影の薄い存在。イケイケやくざの千葉真一と策士の成田三樹夫はキャラ通りでしたな。菅原文太佐分利信に対抗するには貫禄不足で、次作からは三船敏郎に変更。菅原文太は死んだ千葉真一に替わって次作では別のイケイケやくざで〜す。