CDを聴きながら夏目義徳:著の『White Tiger(全3巻)』(集英社)を読了。
1巻(2013年4月24日第1刷発行)は、主人公の白石鶴之助が親友の安藤秀虎やおけいという少女と出会い、アメリカへ渡る物語。鶴之助と秀虎は白虎隊の生き残りで死にそこなったという負い目を持っています。秀虎は剣の達人で、鶴之助は銃の名人ね。ヘンリー・シュネルが提唱した若松コロニー建設のために、シュネルたちとサンフランシスコへやって来ます。アルカトラズから脱走したインディアンに間違われて秀虎はアルカトラズへ。
2巻(2014年4月23日第1刷発行)は、秀虎救出にアルカトラズに乗りこんだ鶴之助は囚人たちの暴動に巻きこまれ、鎮圧に協力します。秀虎と人間違いとわかって無事釈放。シュネルが手に入れた土地ゴールドヒルへ旅たちます。
3巻(2014年4月23日第1刷発行)は、若松コロニーが破綻し、鶴之助と秀虎は金鉱探しに旅たち、途中でインディアンに襲われて二人は離れ離れになります。初恋の娘おけいの死を知らされた鶴之助は目的を見失い、ホワイト・タイガーと呼ばれる放浪のガンマンになり、スー族に助けられた秀虎もホワイト・タイガーと呼ばれる戦士になります。そして、二人は宿命の対決へ……
アメリカの地に会津の町を作ることを夢見た若者の激動の人生をシビアに描いています。人種問題など、意外と中身の濃い内容です。西部劇ではお馴染みのバッファロー・ビルやカスターなども登場させ、ウエスタン・コミックとしても楽しめます。銃器ネタやガンプレイなどは私の知人が協力しているようで、しっかり考証できていますよ。
ところで、マドンナ的存在のおけいさんですが、最初にアメリカに渡った日本女性として記録に残されています。戦前の映画ですが、おけいを主人公(山田五十鈴:主演)にした『嵐に咲く花』(1940年/監督:萩原遼)があります。⇒http://www2u.biglobe.ne.jp/~kazu60/chzak05/senzen2.htm#嵐