成長しているのか

nostalji2016-03-05

近くのシネコンで上映していた『ヘイトフル・エイト』(2015年/監督:クエンティン・タランティーノ)を観る。吹雪によって駅馬車中継所に閉じ込められたワケあり男7人と1人の女が繰り広げるミステリー西部劇です。
北軍の黒人賞金稼ぎマーキス・ウォーレン(サミュエル・L・ジャクソン)はレッドロックの町に殺した賞金首を運ぶ途中で馬が寒さで倒れ、1万ドルの賞金がかかっているデイジー・ドメルク(ジェニファー・ジェイソン・リー)を連行中の賞金稼ぎジョン・ルースカート・ラッセル)の貸切り駅馬車に同乗します。途中でレッドロックに赴任する黒人殺しで名をはせた元南部ゲリラだった新任保安官というクリス・マニックスウォルトン・ゴギンズ)が同乗。駅馬車は迫りくる猛吹雪の中、中継地であるミニーの店に着きます。ミニーは母親に会いに行っておらず、見知らぬメキシコ人ボブ(デミアン・ビチル)が店番しており、レッドロックで死刑執行を行うという首吊り人(ティム・ロス)、無口なカウボーイ(マイケル・マドセン)、大勢の黒人を虐殺した南軍の元将軍(ブルース・ダーン)が先客にいて……
南北対立のいがみあいと、ドメルクの仲間がいて奪還するチャンスをうかがっているのではないか、あるいは賞金を横取りしようとしているのではないかという疑心暗鬼が、吹雪に閉ざされた中継所を中心に酷烈なタッチの描写で展開していきます。駅馬車が中継所に着くまでの会話が冗長で退屈。168分は長すぎます。タランティーノの自己満足のような気がしますね。
70ミリ・フィルムによる撮影(シネコンでは70ミリ映写機がないので35ミリにプリントしたもので上映)、音楽はエンニオ・モリコーネのオリジナル楽曲(これまでの作品は既成の音楽を選曲)と、巨匠の作風になりましたが、それだけの効果をあげているかは疑問です。タランティーノは、第一作の『レザボア・ドックス』が一番良かったで〜す。