日本人が出ているので

nostalji2016-08-29

録画していた台湾映画『黒衣の刺客』(2015年/監督:ホウ・シャウシェン)を観る。唐時代を舞台にした時代劇で、カンヌ映画祭で監督賞を受賞した作品です。
女道士のもとで刺客になるべく育てられた隠娘(スー・チー)が13年振りに両親のもとに帰ってきます。その任務は、かつての許婚者であり、今は地方行政を牛耳る暴君となった田委安(チャン・チェン)を暗殺すること。隠娘の父が田委安を諫めますが僻地へ左遷されます。旅の途中で父は暗殺隊に襲われますが、目撃した日本人青年(妻夫木聡)が味方し、駆けつけた隠娘が暗殺隊を殲滅。傷を負った隠娘を青年が介抱し、隠娘の心の闇が晴れていきますが……
セリフを省略し、映像で物語る作品です。日本公開版の忽那汐里の舞踊シーンだけで、青年が遣唐使(それも難破して一人旅になっている)で日本へ帰る途中であることがわかります。ロングショットと長廻し、揺れ動く木々、炎の揺れ、闇と光の明暗など細部にまで行き届いた映像は素晴らしいです。モノクロで始まり、色彩スタンダードに変わり、ときおりワイドになる映像意図は解りません。派手でわかりやすいハリウッド作品ばかり観ている人には難解でしょうなァ。私にも難解でした。