千恵蔵十八番

nostalji2016-10-17

友人に頼んで送ってもらった東映時代劇『長脇差奉行』(1956年/監督:小沢茂弘)を観る。遠山の金さんは時代劇では戦前からの人気キャラですが、戦後は金さんといえば誰が何と言おうと片岡千恵蔵ですね。東映で17本作られています。“判官”(10本)と“奉行”(7本)の二通りの題名があり、これは“奉行”シリーズの2作目。
飢饉で苦しむ農民救済のため駿河大納言(江原真二郎)の埋蔵金を探す国定忠治片岡千恵蔵の二役)は、埋蔵金の所在を秘めた印籠を求めて踊りの家元・西川鯉蔵を訪ねます。しかし、鯉蔵は殺されており、金さん(片岡千恵蔵)が遊び人に姿を変えて鯉蔵殺害を調査中。印籠は謎の覆面武士(加賀邦男・吉田義夫)たちの乱入で壊されますが、埋蔵金の所在は鯉蔵の娘・紫寿弥(千原しのぶ)と加寿美(植木千恵)が踊る連れ舞の中に隠されており、紫寿弥と加寿美はヤクザの辰五郎(清川荘司)に拉致されます。忠治は国許で百姓一揆の気配があると知って上州に戻り、金さんも高崎藩家老(薄田研二)と岩鼻代官(進藤英太郎)が私服を肥やすために結託していることをつかみ、老中の許可を得て上州へ……
白洲の庭にかかる階段に、長袴をムンズとつかんで進み出ると一気の片足を蹴り上げ、片肌脱ぐや、遠山桜。この呼吸が抜群で、千恵蔵ならではです。踊りの花柳徳兵衛やデビュー間もない丘さとみも出演しており、脇役陣は充実していますが、忠治でチャンバラ、白洲で名啖呵と、千恵蔵御大のワンマン映画で〜す。