ついでに

録画していた『紫頭巾』(1958年/監督:大西秀明)を観る。片岡千恵蔵主演の痛快時代劇です。

老中・田沼意次山村聰)は御典医を使って政敵である尾張大納言を殺し、その仕事を引き継ぎます。意次の悪政により物価は高騰。米を買い占めている米問屋から米を掃き出させ、田沼の家来(吉田義夫)から賄賂金を奪って貧しい庶民にバラまく謎の紫頭巾に江戸の町民は拍手喝采。田沼は秋元但馬守(大河内伝次郎)の反対をおして浪人追放令を強行。金山奉行・海老沢頼母(月形龍之介)の息子・八弥(里見浩太朗)は、目明し・佐平治(原健策)たち捕り方をけちらす浪人・竜太郎(片岡千恵蔵)と意気投合。田沼は小判改鋳を策し、拒んだ金山奉行の頼母を配下の加久一剣(阿部九洲男)に殺させ、公金横領の罪を着せます。将軍(片岡栄二郎)を招いて祝宴を開いた田沼の屋敷に現れたのは……

1923年のサイレント時代劇『浮世絵師紫頭巾』(寿々喜多呂九平の原作・脚本)は好評で、その後何度もリメイクされることになります。これは4度目の作品。東映時代劇全盛時代で、モブシーンの映像や豪華絢爛な日舞は現在では見ることのできないものです。ラストで千恵蔵が醜怪な絵師・狩田秀麿で現れ、田沼の悪業をひとつひとつ暴き、パッと変装をといて実体は尾張大納言の密命を帯びた近習頭・新倉真十郎と名乗るのは“七つの顔の男”のノリですな。

田沼が横恋慕する町娘役で桜町弘子、竜太郎に惚れている居酒屋の女将役で千原しのぶ、八弥の許婚者役で丘さとみが彩を添えていま~す。