大人のチャンバラ

nostalji2017-06-29

友人から送ってもらった東映時代劇『雲の剣風の剣』(1963年/監督:河野寿一)を観る。
富士山が噴火した宝永時代、鳴動する富士山を鎮めるために牟礼大蔵(近衛十四郎)は増上寺から天地正大の宝剣を盗み出します。刃の表と裏に風と雲の文字が刻まれているその宝剣は、かつては富士浅間神社に祀られていたもの。大蔵が番士を斬り倒すのを目撃した盗賊の巳之吉(山城新伍)は宝剣を横取りしようと考え大蔵を尾行。老中・安藤対馬守(香川良介)は公儀隠密・服部寅次郎(品川隆二)に大蔵追撃を命じます。小田原の宿場で大蔵が迎えに来た父・幽玄斉と侍女のおゆう(桜町弘子)に宝剣を渡したところを隠密団が襲撃。幽玄斉は斬られ、おゆうは剣客・浅間勘四郎(松方弘樹)の助けで宝剣を持って逃げますが、寅次郎に追われて宝剣を谷底へ投げ捨てます。山の娘・わらび(三島百合子)が宝剣を見つけますが、風魔の弥藤太(戸上城太郎)が宝剣を持ち去り……
多彩な人物が宝剣をめぐって争い、次々にチャンバラが展開していきます。近衛十四郎の殺陣は見応えがありますな。弓矢攻撃を避けながら、バッタバタと斬り倒していく風魔との戦いはグット。殺陣の巧い戸上城太郎との対決があっさりしていたのは残念でした。ラストの松方弘樹との親子対決は、松方の未熟ぶり(年季不足)がよくわかりま〜す。