観るものがなくて

ビデオからDVDにダビングして録画保存していた『荒野の隠し井戸』(1967年/監督:ウィリアム・グレアム)を観る。荒野に隠された金塊をめぐって繰り広げられるコメディ西部劇です。
シプレイ大佐(ジェームズ・ホイットモア)率いる騎兵隊が輸送していた金塊を部下のファーガス軍曹(クロード・エイキンズ)が無法者のヒルブ(ティモシー・ケリー)、ドク(ロイ・ジェンソン)と組んで、靴屋のベン(ハリー・デイビス)を人質にして床から穴を掘って保管場所から奪いますが、金塊を隠したドクが賭博師のコール(ジェームズ・コバーン)と諍いをおこし、殺されます。コールはドクが持っていた紙幣に地図が書かれていたことから盗まれた金塊と推理。隠し場所へ行く馬を調達するためにインテグリティの町に行き、コパーランド保安官(キャロル・オコーナー)の馬だけでなく、娘のビリー(マーガレット・ブライ)まで頂いちゃうのね。コールが金塊を見つけた時、コールを追ってきたコパーランドが現れます。コールは言葉巧みに金塊の山分けをコパーランドと相談。しかし、ファーガス軍曹がヒルブとベンを連れて現れ、二人を縛りあげ、金塊を奪って逃走。ビリーに助けられたコールとコパーランドは彼らを追ってインテグリティの町に戻ります。ラビニア(ジョーン・ブロンデル)の売春宿で彼らを見つけ出し、銃撃戦となりますが、ラビニアの口車に乗せられたベンがドサクサにまぎれて金塊を持ち去ります。やっとの思いでベンを捕まえたところへシプレイ大佐の騎兵隊が現れ……
『キャット・バルー』と同様に、場面ごとに歌で心情や状況を解説しながら展開していくのですが、楽しくも、おかしくもありません。トボけた笑いを誘おうとしているのですが、ウィリアム・グレアムの演出は見え見えのところがあって、腹の底から笑えないんですよ。それでも、図々しくてトボけた味わいを出しているジェームズ・コバーンはグッド。コバーンが一番油ののっている頃の作品で~す。

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金塊を隠していたのは井戸でなく、原題の『Waterhole №3』の通り、荒野の三番目の水場ね。井戸はWellです。