最後に

録画していた『女囚さそり 701号怨み節』(1973年/監督:長谷部安春)を観る。梶芽衣子の“さそり”シリーズの最終作で、監督が伊藤俊也から長谷部安春に変わりました。
逃亡中の“さそり”こと松島ナミ(梶芽衣子)は、働いていた教会で児玉警部(細川俊之)によって捕らえられますが、護送中に隠し持っていたバラのブローチで運転手を襲い、車を大破させて逃走。場末のストリップ劇場に逃げ込み、警察に怨みを持つ照明係の工藤(田村正和)に匿われます。工藤と行動を共にしているうちにナミに恋愛感情が生じますが、工藤は田舎の母親に説得されてナミの居所を教え、ナミは捕まって刑務所へ。児玉は自らの手でナミを殺そうと、ナミを脱獄させますが……
ケレン味たっぷりの伊藤演出と異なり、日活ニュー・アクション的味付けになっています。梶と田村の奇妙な連帯感がいつしか恋愛へと堕ちていく過程といい、二人の結末のつけ方といい、まんま“野良猫ロック”ですよ。“さそり”のキャラも怨念が不足しており、前3作とは別物ですな。主題歌もレコード・バージョンが使われており、前3作で出てきたレコードにはないフレーズ♪~月に一度は血を流しゃ~がありませ~ん。

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