西部劇というより人情ドラマ

友人に送ってもらった『ならず者と墓あらし』(1949年/監督:リチャード・ソープ)を観る。医学を進歩させようとする医者とならず者の友情を描いた日本未公開の西部劇です。
1802年メリーランド州、医者のミード(リチャード・コンテ)は、墓場の死体を盗んだことで縛り首になるところをならず者ビッグ・ジャック(ウォレス・ビアリー)一味に救われます。ジャックの治療をしたミードはジャックに気に入られ、専属医師として無理やり仲間入り。ジャックはミードが気に入るように、ミードの嫁として町長の娘パトリシア(ヴァネッサ・ブラウン)を誘拐。ジャックを追う自警団が迫ってきた時、ミードはパトリシアを連れて逃げだし……
医学の進歩のために死体を解剖して死因を特定することが許されなかった時代の物語。ウォレス・ビアリーの遺作となった作品で、持ち味である豪快野卑のならず者をユーモアたっぷりに演じています。女房役のマージョリー・メインとの漫才的掛け合いもグッド。リチャード・コンテが解剖で得た知識で重病患者を手術を救い、住民が科学的医療の必要性を知るラストは定番通りね。コンテの演技が固く、ビアリーとの絡みに可笑しさが出ていないのが残念で~す。

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画像は、ウォレス・ビアリーとリチャード・コンテリチャード・コンテは、主役はないものの、テレビドラマ『サンセット77』などの警部役やシナトラ一家の傍役で活躍。