ポワロでもマープルでもなく

録画していた『アガサ・クリスティーねじれた家』(2017年/ジル・パケ・ブランネール)を観る。クリスティーが自作の中でもっとも好きな作品のひとつと語る同名ミステリーの映画化です。
大富豪のレオニダスが謎の死をとげ、その孫娘ソフィア(ステファニー・マーティーニ)が元恋人の私立探偵チャールズ(マックス・アイアンズ)に捜査を依頼。亡き父の友人だったタヴァナー主任警部(テレンス・スタンプ)からレオニダスの死が毒殺によるものと知らされたチャールズは依頼を引き受け、家族たちへの聞き込みを開始します。しかし、レオニダスの前妻の姉イーディス(グレン・クローズ)や若い後妻ブレンダ(クリスティナ・ヘンドリックス)をはじめ、誰もが一筋縄ではいかない個性の持ち主。遺産を巡って家族全員に殺人動機があるという中、好奇心旺盛なソフィアの12歳の妹ジョセフィンが何かを知っているのではないかとチャールズは思うのですが……
犯人は誰だ、という基本トリックがエラリー・クインの『Yの悲劇』と同じなのは、クリスティーとしては頂けませんね。原作を読んでいない私は、キャスティングからグレン・クローズが犯人じゃないかと思って観ていたんですが、その先入観は外れ、途中でうすうす犯人の目星がつきました。動機はチャールズがノートを読む最後までわからなかったのですけどね。謎解きの面白さはなく、ミステリーとしては今イチで~す。

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