懐かしの大河ドラマ

日曜朝に再放送されていた『黄金の日日(全51回)』を観了。1978年度のNHK大河ドラマです。戦国末期、海外に雄飛した堺の豪商・呂栄助左衛門を主人公にした歴史ドラマです。

物語は、永禄11年の秋、天下布武を目指して上洛した織田信長が矢銭(軍用金)の献上を断った堺を包囲したところから始まり、慶長5年の冬、関ヶ原の戦いに勝利した徳川家康が商人は堺から江戸に移ることを要請して堺を包囲、それに対して助左衛門が堺の町を焼き、海外に堺の町を築くことを目指して旅立つところで終わります。

原作は城山三郎ですが、途中からは原作を離れて市川森一のオリジナル脚本。主人公の助左衛門は、信長の金ケ崎撤退・安土城建造・比叡山焼き討ち・本願寺攻め、秀吉の鳥取城攻め・中国大返しなどの歴史的事実の現場に何故かいて、物語を膨らませています。

助左衛門は市川染五郎(現;松本白鷗)で、助左衛門の父親らしい海賊の役の松本幸四郎(先代・白鷗)との父子共演があったり、『太閤記』で信長・秀吉で共演した高橋幸治緒形拳が同じ役で共演したりと、キャスティングがグッド。千利休役の鶴田浩二と今井宗及役の丹波哲郎は、これが大河ドラマ初出演。どちらも存在感を見せています。石川五右衛門役の根津甚八はこのドラマから全国的に名前が知られるようになり、若き日の岸部一徳平泉成を見るのも楽しいものです。

単なる戦記物でなく、経済の視点から日本史をとらえたユニークな試みは、これまでにない大河ドラマとして評価できま~す。