懐かしの時代劇

東映チャンネルで放送された『水戸黄門漫遊記・火牛坂の悪鬼』(1955年/監督:伊賀山正徳)を観る。月形龍之介の“水戸黄門”シリーズ第5作目です。

水戸黄門月形龍之介)と助さん(三条雅也)・格さん(加賀邦男)、それにお蝶(千原しのぶ)の一行は、鬼面組が商家を襲っている福井城下にやって来ます。黄門は芝居一座から鬼面組が出てきたのを目撃。鬼面組を捕えようとしますが、逆に町奉行吉田義夫)に鬼面組の一味に間違われて捕まります。黄門は、鬼面組の仕業に見せかけて商家を乗っ取ろうとする悪商人(団徳磨)と結託している町奉行の悪事を暴き、奉行を成敗。お蝶の働きで鬼面組の一部は捕えますが、首領の時枝(浦里はるみ)は福井城下から逃走。

黄門一行が金沢へつくと、ここでも鬼面組が出没。城主・綱紀(徳大寺伸)の一人娘・妙姫(松島トモ子)が鬼面組に誘拐されます。三日以内に武器弾薬と10万両を用意するようにとの脅迫状がきて……

月形龍之介の“水戸黄門”シリーズは全部で14本あって、メイン(A級)作品になるのは、11作目の『水戸黄門』からです。それまでは添え物扱いのB級作品として製作。B級といっても、大量のエキストラを使ったモブ・シーンなどは、東映時代劇の力強さを感じさせます。内容は講談調。月形黄門さまは威厳があって、印籠など見せなくても悪奉行は平伏しま~す。