週末は大作映画

録画していた『パリは燃えているか』(1966年/監督:ルネ・クレマン)を観る。仏・米の豪華スターが顔を見せている戦争映画です。

連合軍がノルマンジーに上陸し、ヒットラーに命じられたコルティッツ将軍(ゲルト・フレーベ)がパリの司令官として着任したところから物語は始まります。173分の大作で、前半(100分)はパリにおけるレジスタンス活動、休憩をはさんで後半(73分)は連合軍のパリ進撃という構成。

レジスタン内部では、ドゴール将軍の幕僚デルマ(アラン・ドロン)と自由フランス軍(FFI)のロル大佐(ブルーノ・クリーマー)の間で意見が分かれており、デルマはレジスタンスをまとめるには独軍に捕えられているラベしかいないと考えます。ラベの妻(レスリー・キャロン)とスウェーデン領事(オーソン・ウェルズ)を動かしてラベ救出を図りますが失敗。レジスタンスは武装蜂起して市の要所を占拠することに成功しますが、市街戦が長びけばパリの破壊はまぬがれをえず、FFIのガロア少佐(ピエール・ヴァネック)は赤十字のモノー博士(シャルル・ボワイエ)協力を得てパリを脱出し、米軍司令部に到着します。ここまでが前半。

後半は、事態の急を知ったパットン将軍(カーク・ダグラス)やシーバート将軍(ロバート・スタック)の協力で司令官のブラッドリー将軍グレン・フォード)を動かし、連合軍はパリに向けて進軍します。コルティッツ将軍はヒットラーから降伏する前にパリを爆破する命令を受けていましたが、ドイツの敗戦を予想していたコルティッツは命令を無視。パリが開放されノートルダムの鐘が鳴り響く中、ドイツ軍司令部の電話からは、「パリは燃えているか」のヒットラーの声。

上記の他に仏俳優は、ジャン・ポール・ベルモンドイブ・モンタンジャン・ルイ・トランティニアン、シモーヌ・シニョーレ等、米俳優は、アンソニー・パーキンス、ジョージ・チャキリス等が出演しています。

長丁場の作品なので、ルネ・クレマンの演出にも散漫なところがありますが、出てくるスターたちの見せ場を作り、それぞれのエピソードを、ユーモアを交えながら繋いでいく手腕は見事。

パリの下町で踊られるバルス・ミュゼット調(1拍目にアクセントのあるワルツ)を主体としたモーリス・ジャールの音楽も戦争映画らしくない洒落たものになっていま~す。