殺陣のできる役者なので

録画していた時代劇『燃えよ剣』(2021年/監督:原田真人)を観る。クランクアップから公開までコロナの影響で2年もかかった作品。

物語は土方歳三岡田准一)が想い出を語るという形で始まります。武州多摩での近藤勇鈴木亮平)や沖田総司(山田涼介)との交流。清河八郎高嶋政宏)の浪士隊に応募して京へ行き、新選組を結成。乱暴狼藉を働く局長の芹沢鴨伊藤英明)を暗殺。池田屋襲撃、油小路の暗殺、鳥羽伏見の戦い、そして最期を迎える函館戦争と、架空の人物・お雪(柴咲コウ)との恋模様や宿敵・七里研之助(大場泰正)との対立を絡めて展開。

大河ドラマの総集編のような感じです。文庫本で上下2巻の長編を全て描こうとしたらこうなるんでしょうね。1966年に栗塚旭の主演で映画化されていますが、その時は歴史的背景や新選組史などを省いて七里研之助との対決だけに絞り込んだものでした。

歴史を知らない観客のためか、説明的セリフが多く、人間ドラマが薄くなっています。幕末のことや新選組のことを観客は知っているという前提で作った方が良かったんじゃないかな。殺陣ができる数少ない時代劇俳優となった岡田准一主演だったので何とか見ていられましたけどね。