懐かしのヌーベルバーグ

録画したままだった『勝手にしやがれ』(1960年/監督:ジャン・リュック・ゴダール)を観る。ヌーベルバーグの代表的作品。

自動車泥棒の常習犯ミシェル(ジャン・ポール・ベルモント)は追いかけてきた白バイの警官を射殺。新聞の売り子をしているアメリカ娘パトリシア(ジーン・セバーグ)のアパートに転がりこみます。ミシェルは金ができたら外国へ行こうとパトリシアを誘い、彼女もそれに同意。しかし、パトリシアはミシェルよりも自由を選び、警察に密告。旅支度をしているミシェルに警察が来ることを告げますが、ミシェルは逃走せず、刑事に射殺されます。

最近の映画はタイトルを英題そのままにカタカナにしていて、齢のせいもあって憶えられません。昔のように味わいある的を得たタイトルがありませんな。この作品の原題は「息切れ」「へたばる」といった意味のようで、これを『勝手にしやがれ』と邦題をつけたのが、いかにもヌーベルバーグの斬新な感覚にぴったり。

ゴダールの意図は、「使い古された物語をいかにそうでないかに作り直すことにあった」そうで、手持ちカメラの使用、即興演出、常識を無視した編集で革新性を出したとのこと。理屈でなく、感覚的に面白い作品だと私は思いますが、ヌーベルバーグはよくわかりませ~ん。