週に一度は西部劇

録画DVDで『ブッチ・キャシディ最後のガンマン』(2011年/監督:マテオ・ギル)を再見。ボリビアで死んだとされる『明日に向かって撃て!』のブッチ・キャシディが、実は死んでいなかったという物語。

ブッチは、ジェームズ・ブラックソーン(サム・シェパード)と名を変えて牧場を営み、ボリビアで20年もの逃亡生活を続けています。エッタが亡くなり、エッタの息子に会うためアメリカ帰国を決意。馬を売った旅行代金を持って帰る途中、エドゥアルド(エドゥアルド・ノリエガ)という若者に襲われて逆に彼を捕らえます。エドゥアルドは、自分は地獄のような鉱山から金を奪ってきた技師で、追手と間違えたと説明。そして、分け前を与えるので金の隠し場所まで追手から守って欲しいと頼みます。ブラックソーンは、その若者に自分の若かりし頃と重ね合わせ、助けることにするんです。追手を次々に倒していきますが、ウユニ塩湖でエドゥアルドを逃がすために別れ別れになり、ブラックソーンはケガと渇きで行き倒れとなり、医者にかつぎこまれます。医者はブラックソーンがブッチと気づき、ブッチを長年追ってボリビアに住みついたピンカートン探偵局員(スティーブン・レイ)に知らせますが、局員はかつてブッチに命を助けられたことがあり、強い者からしか奪わないという彼のこれまでの犯罪哲学から見逃すことにします。エドゥアルドが奪った金は貧しいインディオたちが血と汗で開発した鉱山から奪ったものだという局員の話を聞いたブッチはエドゥアルドもとへ……

フラッシュバックでサンダンス・キッド(ポードリック・ディレーニー)やエッタ(ドミニク・マケリゴット)との過去の出来事が描かれ、エッタとの別れやサンダンス・キッドの最期が出てきます。それで観客はブラックソーンがブッチ・キャシディと判るんですね。ちなみに、若き日のブッチはニコライ・コスター・ワルドー。知らない役者ばかりね。

全体的にこじんまりした作品で、大うけするようなところはありませんが、サム・シェパードが西部男らしい味わいある演技でグッド。それと、ロングで撮った風景映像が西部とは違いますが空間的な拡がりがあって西部劇といえます。特に死の砂漠を感じさせるウユニ塩湖での追跡シーンはグッド。

京都ヒストリカ国際映画祭で上映された時は、『ブラックソーン』という題名でした。この映画祭では、『ミッション・ワイルド』や『オールド・ヘンリー』といった最近の味わい深い西部劇を上映していま~す。