リメイクも

録画していた時代劇『地獄の蟲』(1979年/監督:山田達雄)を観る。阪東妻三郎:主演、稲垣浩:監督で1938年に公開されたサイレント映画のリメイクです。

盗賊・黒雲(田村高広)一味が悪どい高利貸しの豪農・弥左衛門を襲撃。一家8人を皆殺しにし、千両箱6個を奪って逃走。黒雲の情婦(宮下順子)を含む黒雲一味8人は山越えで他国領へ逃げることを計画。代官(戸上城太郎)の命令で山狩隊が組織され、彼らを追跡。黒雲一味は道なき道を進み、一人が千両箱を担いだまま渓流に流されます。背中には重い千両箱、食料もなく、飢えと疲れで気持ちが荒み、一味に亀裂が入ってくるんですな。逃げる者、殺される者、疲労で死ぬ者などで、最後は黒雲と情婦だけになり……

マツダ映画社が製作しているので、リメイクといってもオリジナルと同様にサイレントスタイル。白黒で、音楽と効果音だけを入れたニュー・サイレント映画です。稲垣浩が監修をしており、オリジナルと同じ内容。バンツマの息子・田村高広の主演ですが、バンツマのような悲愴感が出せたかどうか疑問。ラストの大チャンバラはバンツマのようにいかなかったと思います。ニュー・サイレントは面白い試みですが、斬られ役のその他大勢がいないので、見せどころのチャンバラシーンでの活動大写真の再現は無理ですねェ。