週に一度は西部劇

録画保存していた『ウィンチェスター銃‘73』(1950年/監督:アンソニー・マン)を再見。ダッジシティの射撃大会賞品ウィンチェスター銃‘73の名銃が転々と人の手に渡り、それに関係する人間ドラマとアクションが展開していくロードムーヴィ型西部劇。

リン・マカダム(ジェームズ・スチュアート)は仇敵を追って、相棒のハイスペード(ミラード・ミッチェル)と射撃大会で賑わうダッジシティにやってきます。そこで、ダッチ・ヘンリー(スティーブン・マクナリー)と名を変えて大会に出場する仇敵を見つけ、リンも出場してヘンリーを決勝戦で破り優勝。しかし、ヘンリーに不意を襲われて賞品の“千に一挺”という名銃を奪われ逃げられてしまいます。ヘンリーは荒野の交易所で悪徳商人ラモント(ジョン・マッキンタイア)とのポーカーで銃をまきあげられ、ラモントはインディアンの酋長ヤング・ブル(ロック・ハドソン)にオンボロ銃を騙し売ろうとして殺され、名銃はヤング・ブルの手に。リンがダッジで出会った酒場の女ローラ(シェリー・ウィンタース)と許婚者のスティーブ(チャールズ・ドレーク)は、ヤング・ブルに襲われて騎兵隊の野営地に逃げ込み、リンとハイスペードもインディアンに追われて逃げ込んできます。インディアンと騎兵隊の銃撃戦がはじまり、リンがヤング・ブルを撃ち倒して危機から脱出。騎兵隊士の中にいるのが、デビューしたばかりのトニー・カーティス

銃は拾われてスティーブの手に渡りますが、スティーブは無法者の一味で、保安官たちに追われて逃げ込んできたボスのジョニー・ディーン(ダン・デュリエ)に殺されて銃を奪われます。ディーンはローラを連れてタスコサの銀行襲撃をたくらむヘンリーの隠れ家へ。銃はヘンリーがディーンからとりあげ、ディーンはタスコサの酒場でリンに撃たれます。その銃声でヘンリーの銀行襲撃は失敗し、ヘンリーは岩山に逃げ込み、追ってきたリンと対決。

アンソニー・マンの西部劇の特徴として、主人公は必ずトラウマを持っており、この作品でもリンとヘンリーは兄弟で、父を殺して家を出たヘンリーへの復讐という骨肉の争いが基軸にあります。しかし、名銃をめぐるドラマに力点がおかれているので、ドロドロした暗い部分が薄められ、西部劇の面白さに満ちた私好みの作品になっていま~す。