これで最後

録画したままだった必殺シリーズの第1作『必殺仕掛人(全33話)』の31話~33話を観る。

第31話「嘘の仕掛けに仕掛けの誠」(監督:長谷和夫、脚本:國弘威雄&鈴木安)

清七(小島三児)と不倫しているおとせ(万里昌代)は亭主(井上孝雄)を殺しますが、死んだはずの亭主が帰ってきます。清七が殺され、おとせは贋の亭主が亭主も殺したと言って殺しを依頼。贋の亭主は殺された亭主の双子の弟で、清七を殺し、おとせを殺して財産を奪おうとしています。梅安が贋の亭主とおとせを成敗。

「正義にからまれた仕掛人」(監督:松本明、脚本:山田隆之)

かつて音羽屋半右衛門(山村聰)を島送りにした同心の岡島久兵衛伊藤雄之助)は堅物で、賄賂は一切受け取らない真面目人間。武家の妻女を誘惑して、それをネタに脅迫する悪党役者(嵐圭史)を追っていましたが、上司から捜査をやめるように言われたばかりか、奉行所まで馘になります。愛妻が貧困のうちに病気で亡くなり、生きる希望を失った岡島は半右衛門に悪党役者の殺しを依頼。自らは役者と結託していた悪党上司と相討ちします。

仕掛人掟に挑戦!」(監督:三隈研次、脚本:國弘威雄

江戸の仕掛人元締めが、筆頭与力(新田昌玄)と結託した裏切者によって殺されたり捕まったりします。半右衛門を逃がすために捕まった総元締め(三津田健)が、半右衛門に裏切者と与力を殺すように依頼。裏切者は役人に捕まった者の中にいると考え、小伝馬町の牢屋に探りをいれますがわかりません。総元締めが斬首され、ひとり生き残った治三郎(浜田寅彦)が裏切者と判明。梅安が治三郎を、与力を左内が成敗。ほとぼりがさめるまで全員が江戸を離れる旅立ちでエンド。

裏番組の『木枯し紋次郎』に対抗するために企画されたのが、これまでの勧善懲悪の時代劇ヒーローとは異なる殺し屋稼業の仕掛人。原作である池波正太郎の“仕掛人・藤枝梅安”は連載開始されたばかりで、ドラマ化にあたっての仕掛人は『殺しの掟』に出てくる、西村左内・音羽屋半右衛門、それに藤枝梅安となっています。そのため、原作のあるエピソードとオリジナルエピソードでは梅安のキャラに違いがあり、緒形拳の梅安は、基本的には女好きの明るいキャラ。田宮二郎、萬家錦之助小林桂樹渡辺謙岸谷五朗、最近では豊川悦司が原作をベースにした藤枝梅安を演じていますが、私が好きなのは、明るい中にも殺し屋の凄惨な表情を見せる緒形拳で~す。