週に一度は西部劇

録画していたBSシネマの『胸に輝く星』(1957年/監督:アンソニー・マン)を観る。元保安官の賞金稼ぎが新米保安官に保安官教育する西部劇。

お尋ね者の死体を運んできたモーグ・ヒックマン(ヘンリー・フォンダ)は、ベン(アンソニー・パーキンス)という若い保安官に賞金を要求。賞金は死体の男が犯人であることがわかるまで支払うことができないと言われ、ヒックマンは町に留まることになります。町の住民は賞金稼ぎを毛嫌いしており、泊まる場所がありません。厩で乱暴者のボガーダス(ネヴィル・ブランド)から助けたキップ少年(マイケル・レイ)と親しくなり、キップ少年の家へ。キップの父親は亡くなっており、自分も妻子を亡くしているヒックマンは、ノナ(ベッツィ・パーマ)とキップの母子に親近感を持ちます。翌朝、保安官事務所に行ったヒックマンは、インディアンを射殺したボガーダスを逮捕に行ったベンを姑息な手段で撃とうとしたボガーダスの銃を撃ち飛ばします。ヒックマンの銃の腕前と、元保安官だったことを知ったベンは、ヒックマンに教えを請い、ヒックマンも賞金が来るまでということで了承。死体が犯人と確認され、賞金を受けとったヒックマンが旅立とうとした時、駅馬車強盗が発生。犯人はエドリー・ヴァン・クリーフ)とジーグ(ピーター・ボールドウィン)の兄弟で、傷を負ったジーグを治療したマッコード医師(ジョン・マッキンタイア)をエドが殺害。マッコード医師は町民から慕われており、町長は兄弟の逮捕に賞金をかけます。ボガーダスが自警団を作って兄弟を追いますが、ベンとヒックマンが洞窟に隠れていた兄弟を逮捕。ボガーダスは住民を煽って兄弟をリンチしようとしますが……

保安官として町のために働いてきたのに、妻子が病気になった時に誰も手を貸してくれなかったことで根深い人間不信感を持っていたヘンリー・フォンダが、母子との交流で本来の自分になっていく姿を、渋みのある枯れた演技で見せてくれます。一方、アンソニー・パーキンスは、自分がならないと誰もならないし、なりたがっているネヴィル・ブランドが町を仕切れば無法状態になるとの正義感から保安官になったのですが、気持ちだけが先走っている未熟な若者。フォンダの教えを守り、リンチを煽るブランドとの対決が見せ場になっています。フォンダとパーキンスという俳優の魅力で楽しめる作品で~す。