懐かしのサスペンス

録画していた『地下室のメロディー』(1963年/監督:アンリ・ヴェルヌイユ)を観る。アラン・ドロンジャン・ギャバンが初共演した犯罪サスペンス。

出獄したシャルル(ジャン・ギャバン)は、足を洗うことを願う妻(ヴィヴィアーヌ・ロマンス)の反対をよそに、生涯最後の仕事としてカンヌのカジノの地下金庫から売上金10億フランの強奪を計画。相棒に刑務所で同房だった青年フランシス(アラン・ドロン)を選びます。フランシスは金持ちの青年を装い、カジノの向かいのホテルに滞在。カジノの踊子ブリジット(カルラ・マルリエ)と親しくなり、一般客が入れないカジノの舞台裏に出入りします。カジノのオーナーが売上金を運び出す日を狙って地下金庫を襲撃。舞台裏から梯子段を上って屋上に出たフランソワは通風孔から地下金庫室に行くエレベーターの屋根にとりつきます。オーナーが金庫室に行くために警報が30分間切られる時をみはからってシャルルも潜入。フランソワは金勘定に気をとられているオーナーたちをマシンガンで脅し、会計係から鍵を奪ってシャルルを招き入れます。強奪は成功しますが、予想外の事態がおこり……

ラストでプールの水面いっぱいに奪った札が浮かび上がるシーンは、その後の作品に形を変えてマネされている名シーン。そのシーンに流れるミシェル・マーニュによるテーマ曲も、CMなどに流用され、映画を観ていなくても誰もが耳にしたことのある名曲。盗みの方法が意外と粗っぽかったり、現場に捜査関係者が多くいるのに慌てて金を運び出そうとしたりするのは、今イチですが、ドロンとギャバンの魅力で面白いサスペンスになっていま~す。