続いて

DVDで『シシリアン』(1969年/監督:アンリ・ヴェルヌイユ)を観る。アラン・ドロンジャン・ギャバンリノ・ヴァンチュラが共演した犯罪映画。

宝石強盗犯のサンテ(アラン・ドロン)は、シシリアン・マフィアのマナレーゼ(ジャン・ギャバン)の力を借りて刑務所から移送される途中で脱走。ル・ゴフ警部(リノ・ヴァンチュラ)がサンテを追います。サンテはマナレーゼ一家に匿われ、マナレーゼにローマで開催されている宝石展の宝石強奪を提案。マナレーゼはニューヨーク・マフィアのトニー(アメデオ・ナザーリ)を仲間に引き入れ、現場を調査。サンテが調べた通りの警備状況でしたが、展示場を襲うことは不可能と判断し、アメリカへの空輸中に飛行機から奪うことを計画。サンテはマナレーゼの息子の妻ジャンヌ(イリナ・デミック)と不倫関係となり、マナレーゼの孫に目撃されます。建設中の高速道路に飛行機を不時着させ、宝石強奪は成功しますが、サンテとジャンヌの関係がマナレーゼの知ることとなり……

最初の脱走シーンから宝石強奪のプロセスまで緻密に描かれており、ジョゼ・ジョヴァンニが協力した脚本が優れています。ヴェルヌイユは脚本通りの演出をしており、展開にメリハリがないのが難点。最後は家名を汚されることを許さぬシチリア人気質のギャバンとドロンが対決。後手にまわっていたリノ・ヴァンチュラが、帰ってきたギャバンを待ち受けているラストシーンがグッド。撮影はアンリ・ドカエ、音楽はエンニオ・モリコーネと一流を揃えた作品で~す。