今月最初の西部劇

DVDで『大西部への道』(1967年/監督:アンドリュー・V・マクラグレン)を再見。史上に名高いオレゴン・トレイルの踏破を描いた西部劇。

1943年、ミズーリ州インペデンスの町からオレゴンに向けて幌馬車隊が出発。隊長は上院議員だったタドロック(カーク・ダグラス)で、オレゴンの地に新しい町作りを夢見ています。同じように新天地にロマンをはせているエバンス(リチャード・ウィドマーク)も妻(ローラ・オルブライト)と息子ブラウニー(マイケル・マクグリーヴィ)を連れて参加。道案内人サマーズ(ロバート・ミッチャム)が先導する幌馬車隊は、途中でいろいろな事件に遭遇。ブラウニーはマクビー(ハリー・ケリー・ジュニア)の娘マーシーサリー・フィールド)を好きになりますが、マーシーはセックス拒否症の妻アマンダ(キャサリンジャスティス)を持つジョニー(マイケル・ウィットニー)と関係ができます。幌馬車隊はインディアンと遭遇し、ジョニーが狼と間違ってインディアンの少年を射殺。少年は酋長の息子で、酋長は犯人の処刑を要求。タドロックはジョニーの首に縄をかけるという非情の決断をします。目的達成のためには“嘘も方便”とばかりに決断してきた傲慢なタドロックと、幌馬車隊の仲間から信頼されているエバンスが対立しますが、タドロックは目的地を目の前にして、恨みを持つアマンダに殺され……

大自然の中を行く幌馬車隊の映像は西部劇の原点。マクラグレンはシネスコ画面いっぱいにフォード譲りの素晴らしい映像を見せてくれます。以前、テレビで再見した時はテレビ用にトリミングした画像でガッカリしたものですが、やっぱりシネスコでないとね。ダグラス、ウィドマーク、ミッチャムがキャラにあった演技をしており、作品に深みを与えています。125分という時間枠の中に、いろいろな人間関係を詰め込み過ぎたきらいがありますが、見応えのある作品であることは間違いありません。ブロニスロー・ケイパーの音楽もグッド。