週に一度は西部劇

ユーチューブでマカロニ西部劇『殺し屋がやって来た』(1966年/監督:アルフォンソ・バルカザール)を観る。リアルタイムで観て以来の再見です。

有能な外科医だったが今はイカサマ賭博師のドク・マジックハンド(カール・メーナー)が、酒場で挑まれた男を殺して逃走。お尋ね者の死体を運んできた賞金稼ぎのスレード(ルイス・ダヴィラ)は賞金を受け取ると、1万ドルの賞金がかけられたドクを追いかけます。ドクは道端に転がっていた男の死体を見つけ、服を取り換えて、死んだ男ラリー・キッチナーになりすますんです。キッチナーはバルドサスの町が保安官として招いた男。バルドサスの町はメキシコの無法者パブロ・レイエス(フェルナンド・サンチョ)に荒らされており、キッチナーを殺したのはレイエスの部下。キッチナーが生きていると知ったレイエスはドクを襲撃しますが、スレードが助けます。ドクとスレードは町民から歓迎され、ドクはキッチナーとして保安官に就任。スレードはキッチナーとドクが同一人物か確かめるために副保安官に志願。何度かレイエス一味と拳銃をまじえるうちに、町長(ウンベルト・ラホ)が鉄道用地を買い占めるためにレイエスを利用していることがわかります。スレードの罠にかかって捕まったレイエスは、町長が裏切ったと思い、脱獄して町長を殺害。レイエスは50人の部下を引き連れて町を襲撃。乱戦につぐ乱戦の中、ひとり残ったレイエスをドクが撃ちますが、レイエスの撃った弾丸が、ドクが愛しあうようになった女牧場主(グロリア・ミランド)の息子に当たります。ドクが手術を行い、スレードは取り寄せた写真から正体を見破りますが、「さよなら、キッチナー」と言って町を去るんです。

本場西部劇にあるような物語展開ですが、面白くまとめています。スレードの恰好はランドルフ・スコットのような西部劇スタイルだし、レイエス一味の襲撃を恐れて隠れていた町民が途中からドクとスレードに応援するのも本場西部劇のパターン。都合よく崖の上に積まれている丸太のロープを撃ってレイエス一味の追撃を逃れたり、沸騰したお湯を浴びせられても全然やけどしていなかったりとマカロニらしいいい加減さはありますが、転げまわって撃ち返し、物かげへ飛びこんでは撃ちまくるというガンプレイ(大回転連続早射ち)や、フランチェスコ・ラバニーノの音楽はマカロニらしくてグッド。失敗した部下や命令をきかない部下を平気で撃ち殺す残虐ぶりを見せ、何発ブチこまれてもなかなか死なずに撃ち返してくるフェルナンド・サンチョが最高で~す。